棚卸減耗損と商品評価損の違いとは!?わかりやすく解説!!

みなさんこんにちわ!サラリーマン簿記講師です。

今日は棚卸減耗損商品評価損についてです。

この論点必ず試験に出るのに、皆さんとても苦手です。

何故ならわかりづらいから。

どっちも実地棚卸した時の損失でしょ!?

どっちでもいいよ!!

と怒る気持ちもわかりますが、ここをしっかり理解すれば得点源になります。

以下でしっかりと理解していきましょう。

棚卸減耗損とは?

棚卸減耗損とは、商品を仕入販売している会社や製造販売している会社において、記録している帳簿と実際の商品・製品の数が異なった際に使う勘定科目です。

例えば、

原価が@100円の商品 

商品の個数を記録している帳簿上300個

実際に数えてみたら270個

だった場合、減った分の30個が棚卸減耗損になります。

計算すると、30個×@100円=3,000円が棚卸減耗損として計上されます。

商品評価損とは?

商品評価損とは、実際の商品・製品の中で破損しているものについて評価額を減らすことです。

例えば、

原価が@100円の商品 

商品の個数を記録している帳簿上300個

実際に数えてみたら270個(うち10個は破損しており、評価額は@30円である)

だった場合、実際に数えた個数のうち、10個の破損分が商品評価損になります。

計算すると、(@100円-@30円)×10個=700円

が商品評価損になります。

なお、商品評価をした時に気をつけたいのが、商品が原価の金額よりも値上がりしている時です。

例えば、

原価が@100円の商品 

商品の個数を記録している帳簿上300個

実際に数えてみたら270個(うち10個の評価額は@130円である)

の場合、原価@100円より高くなっちゃってますよね?これは会計基準上、処理なしでOKです。

いつ使うの?

棚卸減耗損と商品評価損は、決算整理仕訳として行われる「しーくりくりしー」後のタイミングで使います。

なんでここで使うんだ?という方は売上原価としーくりくりしーの関係性を今一度みて見てください。この作業は、原価を計算するための手続きです。

原価は、商品をいくつ仕入れて、いくつ売って・・・というのを集計して求められますから、この商品の個数がかなり大事になってきますね。

棚卸減耗損も商品評価損も実際の商品の個数を数えたり商品の評価を行い、それによる減少を認識する作業ですので、順番としては、

「しーくりくりしー」→棚卸減耗損の認識→商品評価損の認識

という手順です。

※直接売上原価で認識する場合は上記の手順でなくてもいいのですがわかりやすくしてます。

決算整理仕訳を行う際の注意点

「しーくりくりしー」→棚卸減耗損の認識→商品評価損の認識

で処理していきますが、ここで大概の人が、引っかかるポイントがあります。

それは、しーくりくりしーをする期末繰越商品の数を、実地棚卸の金額にしてしまうというミスです。

以下の例題で実際に見て見ましょう。

期首繰越商品:10,000円

期末繰越商品:

原価が@100円の商品 

商品の個数を記録している帳簿上300個

実際に数えてみたら270個(うち10個は破損しており、評価額は@30円である)

【間違い回答】

期末繰越商品は、@100円×300個=30,000円。で、実地の棚卸の金額は、270個だから、期末繰越商品は27,000円だ!

⬇️

仕入10,000 繰越商品10,000
繰越商品27,000 仕入27,000

よーし、あとは棚卸減耗損と商品評価損を計上して終わりだ!

棚卸減耗損3,000 繰越商品3,000
商品評価損700 繰越商品700

完璧!!!

という流れで皆さん間違えます。

このやり方だと棚卸減耗損分の3,000を2回減らしてしまってますので

繰越商品の残高が合わなくなります。

【正解思考】

期末繰越商品は、@100円×300個=30,000円。

仕入10,000 繰越商品10,000
繰越商品30,000 仕入30,000

よーし、あとは棚卸減耗損と商品評価損を計上して終わりだ!

棚卸減耗損3,000 繰越商品3,000
商品評価損700 繰越商品700

完璧!!

これが正解です。

まとめ

棚卸減耗損と商品評価損を正しく理解することで、試験で得点源になります。

棚卸減耗損=帳簿の金額と実際の金額の差

・商品評価損=破損などした商品の破損分の金額

・使う場所=「しーくりくりしー」のあと

是非覚えてくださいね!