前払費用と未払費用の違いとは?

こんにちわ!サラリーマン簿記講師めたきんです。

今回は前払費用と、未払費用についてです。

費用」と同じ言葉が使われているので、混同してしまいがちですが、ここを放っておくと大変!!!試験ではほぼ確実に出題されます。そんな2つの科目について、今回は学んでいきましょう。

1.前払費用とは?

前払費用とは、継続してサービスを受ける場合、まだ受けていないサービスに対して支払った金額に使う科目です。サービスを受け取る権利を持つ、ということから資産項目に含まれます。

例えば、3月決算の会社で、インターネットの年間利用料1,200円が3/1に発生したとします。この時、1ヶ月の利用料は100円となります。

1,200÷12=100

支払時には、

通信費1,200 現預金1,200

として1年分の費用を先に計上します。

そして期末では、

3/31には未経過分、まだ受けていないサービス分である4月から翌年2月末までの11ヶ月分を前払費用として振り替えなければなりません。

この時に発生する仕訳は以下の通りです。

前払費用 1,100 通信費 1,100

そして翌期首に、前期に前払費用計上した通信費1,100円分を、前払費用として振り戻します。

通信費 1,100 前払費用 1,100円

 決算時の調整のための特別な科目であり、翌期にはもう一度費用科目に振り替えるのが特徴です。

何だか難しく感じますが、要は1年分先に費用計上したから、期末にまだサービス受けてない分の費用を減らすというだけです。会社として受けてないサービスなのに費用計上するのは会計上適正ではないからですね。

試験では、「●●の費用を繰り延べる」など書かれていますので、繰延=前払だなと頭の中で繋がるようにしておきましょう。

2.未払費用とは?

未払費用とは、既に支払が確定しており、かつ既に提供されたサービスに対してまだ支払われていないものを指します。

例えば、3月決算の会社で、1年間分のインターネット利用料の支払が1,200円であったとして、3/1に利用を開始し、3/1に実際に支払う契約を結んだとしましょう。

当期の3月決算の時点では、会社としては1ヶ月分(3/1~3/31)の利用料を費用認識するため、以下の仕訳を入れます。この時、1ヶ月分の利用料は、以下の計算式のように100円になります。

1,200÷12=100

利用開始時ではまだ支払は発生していませんので、

仕訳なし

期末では、発生した利用料は費用として認識する必要があるため、

通信費 100 未払金 100

 そして翌期首に、前期に未払金として計上した100円分を振り戻します。

未払金 100 通信費 100

 そして、翌年の3月に実際にこの未払金を支払います。

通信費 1,200 現金 1,200

前払費用と違い、期末になって初めて費用が発生して、翌期の支払時に全額を認識します。

試験では「●●の費用を見越す」など書かれていますので、見越=未払だなと頭の中で繋がるようにしておきましょう。

3.まとめ

言葉は似ていますが、

繰延=前払

見越=未払

はしっかり覚えておきましょう。

また、最初に計上される場所がそれぞれ前払費用は借方未払費用は貸方です。混同せず、しっかりと違いを理解していきましょうね!

私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください