こんにちわ!サラリーマン簿記講師めたきんです。
今回は連結part4〜連結第2期〜です。
連結第2期がわかれば連結の道半ばまで来たことになります!早速やっていきましょう!
目次
連結第2期にやること
連結決算は通常以下のフローで行なっていきます。
実は毎回同じ開始仕訳を切るわけではなくて、秘伝のタレのように前期に切った連結修正仕訳をドンドン追加していきます。連結の期が大きくなればなるほど複雑になっていくというえげつないシステムなんですね。
早速開始仕訳を切っていきましょう。
連結2期の修正仕訳
以下が連結第1期だとして、第2期の修正を進めていきます。
今回ものれんあり非支配株主持分ありです。
【前提】
前々期の期末に子会社株式の70%を4,000で取得。連結第2期の当期純利益は500。利益剰余金からの配当は200。のれんの償却は10年定額法で支配獲得の翌年から行なっている。 |
【前提】連結第1期の連結修正仕訳
1.開始仕訳
資本金(期首)3,000 | 子会社株式4,000 |
資本剰余金(期首)1,000 | 非支配株主持分(期首)1,500 |
利益剰余金1,000(期首) | |
のれん 500 |
2.のれん償却
のれん償却費50 | のれん50 |
3.利益剰余金の振替
非支配株主に帰属する当期純利益300 | 非支配株主持分300 |
4.子会社配当の振替
受取配当金70 | 利益剰余金100 |
非支配株主持分30 |
それでは、手順通りにやっていきましょう!
開始仕訳の算定
1.利益剰余金の加減算
まず開始仕訳を行う際に、前期連結修正のPLに関わる項目は利益剰余金に集計します。なんででしょう?
PL項目である当期純利益はあくまでその期稼いだ額を表示しているだけで、毎年累積できません。なので、貯金として利益剰余金にどんどん振り替えていくんでしたね。(思い出せない方は「当期純利益、利益剰余金、繰越利益剰余金、配当の関係性とは!?」をチェック)
連結も同様に、連結第1期に起こったPL絡みの仕訳は利益剰余金の修正として集計をします。利益剰余金絡みの仕訳も当然集計ですね。
PL絡み(赤字)、利益剰余金絡み(青字)の仕訳は以下の通り。
・のれん償却
のれん償却費50 | のれん50 |
・利益剰余金の振替
非支配株主に帰属する当期純利益300 | 非支配株主持分300 |
・子会社配当の振替
受取配当金70 | 利益剰余金100 |
非支配株主持分30 |
これらを利益剰余金に加減算していきます。
利益剰余金(期首)1,000+のれん償却費50+非支配株主に帰属する当期純利益300+受取配当金70ー利益剰余金100=1,320
これが連結第2期の利益剰余金(期首)の修正仕訳になります。仕訳にするとこんな感じですね。
・のれん償却
利益剰余金(期首)50 | のれん50 |
・利益剰余金の振替
利益剰余金(期首)300 | 非支配株主持分300 |
・子会社配当の振替
利益剰余金(期首)70 | 利益剰余金(期首)100 |
非支配株主持分30 |
2.非支配株主持分の加減算
次に非支配株主持分を調整していきましょう。
非支配株主持分絡みの仕訳(赤字)は以下の通り
・利益剰余金の振替
利益剰余金(期首)300 | 非支配株主持分300 |
・子会社配当の振替
利益剰余金(期首)70 | 利益剰余金(期首)100 |
非支配株主持分30 |
これはもうまんま書いてあるので単純に加減算。
非支配株主持分(期首)1,500+利益剰余金振替300ー子会社配当振替30=1,770
余裕ですね!
3.その他の調整
さて、あと残っている仕訳(赤字)は以下です。
・のれん償却
利益剰余金(期首)50 | のれん50 |
そう、のれんです。のれんは普通に加減算。株主資本等変動計算書の項目ではないため、期首とかは不要です。
のれん500-50=450
これが連結第2期時点の開始仕訳の数値ですね。前期に行った連結修正仕訳を追加して行きます。
4.集計
上記1.〜3.の結果を集計していきましょう。
資本金(期首)3,000 | 子会社株式4,000 |
資本剰余金(期首)1,000 | 非支配株主持分(期首)1,770 |
利益剰余金1,320(期首) | |
のれん 450 |
貸借一致しましたね。これで連結第2期の開始仕訳はOK。
あとは、連結第1期と同じ修正仕訳を行うだけです。
連結第2期の修正仕訳
連結修正仕訳は以下の通りでしたね。(思い出せない方は「連結会計part3〜連結第1期の修正仕訳〜」からチェック!)
①生じたのれんの償却
②子会社の当期純利益の修正
③子会社配当金の修正
早速やっていきましょう。
①生じたのれんの償却
のれんはもともと500ありました。それを10年で償却していくんでしたね。
500÷10年=50
のれん償却費50 | のれん50 |
※間違えやすいのがここ!のれんは最初の残高を定額法で償却と書いてあります!間違えて連結第1期の残高450を10年で割らないように!
②子会社の当期純利益の修正
当期純利益を非支配株主と分けます。
第2期の子会社当期純利益500×30%=150
非支配株主に帰属する当期純利益150 | 非支配株主持分150 |
③子会社配当金の修正
子会社からもらった配当によって減った利益剰余金を非支配株主と分けます。
子会社配当200×30%=60
200-60=140が親会社配当
受取配当金140 | 利益剰余金200 |
非支配株主持分60 |
上記の仕訳を反映した連結第2期の修正仕訳が以下の通りです。
開始仕訳
資本金(期首)3,000 | 子会社株式4,000 |
資本剰余金(期首)1,000 | 非支配株主持分(期首)1,770 |
利益剰余金1,320(期首) | |
のれん 450 |
当期仕訳
のれん償却費50 | のれん50 |
非支配株主に帰属する当期純利益150 | 非支配株主持分150 |
受取配当金140 | 利益剰余金200 |
非支配株主持分60 |
まとめ
これで連結のうち、資本連結と言われている部分は終了です。
イメージとして、開始仕訳はひたすらに積み上げていくものです。ややこしいように思いますが、簿記2級の連結はコツさえ掴んでしまえば混乱せずに集計できますので、しっかり以下の流れを覚えましょう。
①前期開始仕訳の引き継ぎ
②利益剰余金項目の加減算 ③非支配株主持分の加減算 ④その他項目の加減算 ⑤当期修正仕訳の算定 |
次回は連結会計part5.成果連結についてです。ここから皆さま超苦手の未実現損益が出てきます!お楽しみに!
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