こんにちわ!サラリーマン簿記講師めたきんです。
今回は簿記でお馴染みの、手形についてです。
手形、と聞いてもあまりピンと来ないかもしれませんが、日本では明治時代からあります。そんな100年以上の歴史を持つ手形について、今回は学んでいきましょう。
手形とは?
手形とは、現金の代わりに受け取る証券のことです。支払期日と、いくら支払うのかが、証券には記載されています。また、支払期日にならないと、現金と交換できないのも1つの特徴です。
よく手形と間違えたり、混同しやすいのが「小切手」です。小切手も現金と 交換することのできる証券ですが、違いは「すぐ」に現金と交換できるかです。小切手はすぐ交換できるのに対し、手形は支払期日になるまで交換できません。
支払時の手形の処理
では、手形を発行した(振り出した)時の仕訳を見てみましょう。発行すると、後で代金を支払わなければならないという義務が生じます。仮に、商品を100仕入れた時に約束手形を発行した場合、以下のような仕訳になります。
仕入 100 | 支払手形 100 |
次に、手形の代金を支払った時の仕訳を確認しましょう。支払期日となり、手形に記載された金額が、銀行口座が引き出されました。すると、元々あった支払の義務がなくなるので、以下のような仕訳になります。
支払手形 100 | 現金 100 |
受取時の手形の処理
逆に、手形を受け取った時のパターンを考えてみましょう。手形を受け取るということは、後で代金を受け取る権利を得ることになります。仮に、商品を200販売した時に手形を受け取った場合、以下のような仕訳になります。
受取手形 200 | 売上 200 |
次に、手形の代金を受け取った時の仕訳を確認しましょう。支払期日となり、手形に記載された金額が、今度は自分の銀行口座に入ってきました。すると、代金を受け取る権利がなくなるので、以下のような仕訳になります。
現金 200 | 受取手形 200 |
自分の口座からお金がなくなったということは、入ってきたと同時に、義務や権利がなくなるということに注目しましょう。
割引とは?
手形は支払期日になるまで、現金と交換することができません。
では、全く交換する方法がないのかというと、銀行に手形を買い取ってもらうことで、現金と交換することができます。これを割引と言います。
ただし、支払期日よりも前に交換することができるというメリットと引き換えに、手数料などがかかってしまうため、受け取ることのできる金額は手形に書かれた金額よりも少なくなってしまうことに注意しましょう。
仮に、自分が代金100と交換できる受取手形を持っていたとします。これを銀行に売る時、手数料として10取られてしまう、となった場合、仕訳は以下のようになります。
現金 90 | 受取手形 100 |
手形売却損 10 |
手形を交換したことによって、代金を受け取る権利を失うことになります。
ここで要注意なのが手形売却損!!!
皆様結構間違いやすく、「支払手数料」にしちゃったりはたまた存在しない、「手形割引損」などを使ってしまいます。ここを間違えないようにしっかり覚えましょう。
裏書とは?
最初に書いた通り、手形は現金の代わりに発行される証券です。つまり、手形は、現金の代わりとしても使うことができるのです。
例えば、100の代金の代わりに受け取った手形を持っているとしましょう。自分が100の商品を仕入れたい、と思った時、仕入れる側に代金の代わりとして手形を渡すことができます。これを裏書き(裏書譲渡)と言います。
裏書き、という呼び名は、持っている手形を他の人に渡す際に、手形の裏面に名前や日付を書くことから由来しています。では、手形を現金の代わりに使った時の仕訳を確認しましょう。
仕入 100 | 受取手形 100 |
現金の代わりに使うということは、手形を使って現金を受け取る権利を使う=失うということになるので、上記のような仕訳になります。ここでも、代金を受け取る権利が発生したのか、失ったのか、ということに注目しましょう。
まとめ
よく小切手と間違えてしまうことの多い手形ですが、よくよく見てみるとかなり違うことが分かりますね!受け取る権利や、支払う義務、そしてそのタイミングなどに注意して理解していきましょう!
私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください |