連結会計part3〜連結第1期の修正仕訳〜

こんにちは!サラリーマン簿記講師めたきんです。

今日は連結会計part3連結第1期の仕訳についてです。

ここから皆様大苦手の開始仕訳が出てきます。

ややこしいような気もしますが、実はそんなに難しくありません。ここをしっかりと理解することで、連結第2期にも影響してきます。しっかり読み取って理解していきましょう。

連結第1期に行うこと

支配獲得のタイミングは、BSだけを連結するんでしたね。(思い出せない方はこちら)

連結第1期に入ると、子会社もグループ内の企業として収益を上げ、配当をするようになりますので、PL及びSS(株主資本等変動計算書)も連結が必要です。

連結第1期の連結修正は、概ね以下のフローで進みます。

⓪個別財務諸表の単純合算

①前期支配獲得によって生じた連結修正仕訳を開始仕訳として切る

②生じたのれんの償却

③子会社の当期純利益の修正

④子会社配当金の修正

※本当は損益取引や未実現損益の消去がありますが、別テーマにてご説明します。

それでは、連結を始めましょう。

今回は、アンラッキーパターンで非支配株主もいるしのれんもあるパターンです。

個別財務諸表の単純合算

これは支配獲得日と同じです。が、今回は期中に子会社も活躍してくれているのでPL、SSも合算します。

前期支配獲得によって生じた連結修正仕訳を開始仕訳として切る

前回支配獲得時にはこんな仕訳を切りましたね。

資本金xx   子会社株式xx
資本剰余金xx 非支配株主持分xx
利益剰余金xx
のれん xx

これをそのままもう一回切ります。連結って、実は前期の連結修正仕訳を毎回開始仕訳(前期に切った仕訳で残高が残っているもの)として引き継ぎますただし、特定の勘定科目には(期首)をつけます。

資本金(期首)xx 子会社株式xx
資本剰余金(期首)xx 非支配株主持分xx(期首)
利益剰余金xx(期首)
のれん xx

これは連結の株主資本等変動計算書を作成する際に、いつの期の変動かわからなくなるのを防ぐためです。

生じたのれんの償却

さて、ここからが第1期の醍醐味期中の連結修正です。

子会社を思ったより高く買ってしまった時にのれんが発生するんでしたね。支配獲得時に計上したのれんは開始仕訳を通じて計上されています。

この、のれんは、20年以内の合理的な期間内に定額法その他合理的な方法により償却をする必要があります。

早速仕訳を切っていきましょう。

のれん償却xx のれんxx

これだけです。ただ、注意が必要なのがどこに表示するか!のれん償却は何となく本業には関係なさそうなので営業外費用などにしてしまいがちですが、販売費及び一般管理費です。超絶気をつけましょう。

子会社の当期純利益の修正

次に子会社の当期純利益を非支配株主持分に合わせて修正します。

 

何でそんなことやらなきゃいけないの!?だってもう合算したでしょ!?

 

と思う方、思い出してください。第1回で説明したように、連結した子会社に他の株主がいる場合、その子会社の計上した利益は親会社とその他の株主で分けなければいけません

皆んなでお金出してカントリーマアムを買ったのに、独り占めされたら「おいおい、俺も金出したんだけど、、バニラ味くれよ」と思いますよね?そのイメージです。

よって非支配株主の保有比率に応じて、利益を配分します。

非支配株主に帰属する当期利益xx 非支配株主持分xx

これで個別財務諸表の合算によって入ってきた100%の子会社の利益を非支配株主に配分できました。なお、表示上、非支配株主に帰属する当期利益は、当期純利益の内訳項目、非支配株主持分は純資産に表示します。

子会社配当金の修正

最後に子会社配当金の修正です。

親会社は子会社の株主であることから、配当を受ける権利を有しています。しかし、親会社が配当を受取配当金として収益認識した場合、それは子会社からの収益であるため相殺しなきゃいけないですね。

親会社が受け取った仕訳

現預金xx 受取配当金xx

子会社が払った仕訳

利益剰余金xx 現預金xx

何で利益剰余金なの?という方はこちらで確認!

上記のうち、受取配当金と利益剰余金を相殺しましょう!

受取配当金xx 利益剰余金xx

さてここで何となく違和感を感じた方、正解です。子会社の利益剰余金が配当によって減っているのに、非支配株主だけ利益剰余金減ってません。割り勘なのに払ってないやつには払ってもらいましょう。

受取配当金xx 利益剰余金xx
非支配株主持分xx

これでOKです。

まとめ

連結会計の第1期目、特に非支配株主持分は少しややこしいですが、全てにイメージを持って取り組みましょう。以下の流れも忘れないように!

⓪個別財務諸表の単純合算

①前期支配獲得によって生じた連結修正仕訳を開始仕訳として切る

②生じたのれんの償却

③子会社の当期純利益の修正

④子会社配当金の修正

連結会計Part4は連結第2期の修正仕訳です。お楽しみに!

私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください