連結会計シリーズPart2〜支配獲得日〜

こんにちは!サラリーマン簿記講師めたきんです。

今日は連結会計シリーズpart2支配獲得日についてです。

この論点、実は仕訳にすると割とあっさりしているものの皆さん苦手です。

正直いきなり子会社だ!連結しろ!とか言われてもとっつきづらいですよね。以下で解説していきます。

支配獲得とは?

連結会計の対象になるのは、議決権の過半数を取得したときでしたね。なにそれ?という方はこちらを確認してください。

要は、株式を取得した会社の重要事項にとてーも強く口出しできるということです。子会社になった会社は、親会社の賛成なしに配当とかできなくなっちゃいますからね。

支配獲得=連結会計のスタートになります。

支配獲得の時にやることは?

具体的にやることは以下の通りです。

1.親会社個別財務諸表と子会社の個別BSの合算

2.資本取引の連結修正

ここで間違えやすいのがBSのみを合算するという点です。

普通の連結でいうと、PLも連結すべきですが、今回のお題のように、期末日に支配獲得した場合、以下の関係性になります。

自分のところのは期を通じて売上あげて費用使ってと損益取引をしていますが、その期間子会社になる会社は別の会社だったわけです。

よって、期末日に支配獲得した場合、BSのみを合算します。

支配獲得(100%取得、のれんなし)の連結修正仕訳

期末日に支配獲得した子会社は、BSのみを合算しているのでBSのうち親会社と取引がある部分を相殺します。

相殺の対象になるのは

・親会社の子会社株式

・子会社の資本金、利益剰余金、資本剰余金

です。

親会社は子会社の純資産を株式の取得という形で買収しているので、親会社株式と子会社純資産を相殺する必要があるんですね。

では仕訳を切っていきましょう。

まずは100%取得かつのれんが発生しないパターン。

1.親会社保有の子会社株式を減らす

子会社株式xx

2.子会社の純資産を減らす

資本金xx   子会社株式xx
資本剰余金xx  
利益剰余金xx  

これでおしまいです。

支配獲得(80%取得、のれんなし)の連結修正仕訳

次は80%取得かつのれんが発生しないパターン。皆さんが忌み嫌う非支配株主持分が出てきます。

1.親会社保有の子会社株式を減らす

子会社株式xx

2.子会社の純資産合計×非支配株主持分の比率をかけたものを貸方へ

子会社株式xx
非支配株主持分xx 

 

3.子会社の純資産を減らす

資本金xx   子会社株式xx
資本剰余金xx 非支配株主持分xx
利益剰余金xx

これでおしまいです。

支配獲得(80%取得、のれんあり)の連結修正仕訳

次は80%取得かつのれんが発生するパターン。皆さんがさらに忌み嫌うのれんも出てきます。

のれんとは、子会社の純資産より親会社保有の子会社株式が多い時に発生する差額です。要は高く買っちゃったからちゃんと資産に計上してその分は償却してねという決まりごとだと思ってください。

なお、安く買えた時は負ののれんとして、特別利益になります。

早速仕訳してきましょう。

 

1.親会社保有の子会社株式を減らす

子会社株式xx

2.子会社の純資産合計×非支配株主持分の比率をかけたものを貸方へ

子会社株式xx
非支配株主持分xx

3.子会社の純資産を減らす

資本金xx 子会社株式xx
資本剰余金xx 非支配株主持分xx
利益剰余金xx

4.差額が出たらのれんとして計上する

資本金xx 子会社株式xx
資本剰余金xx 非支配株主持分xx
利益剰余金xx
のれんxx

これでおしまいです。

まとめ

まとめると、

1.親会社保有の子会社株式を減らす

2.子会社の純資産合計×非支配株主持分の比率をかけたものを貸方へ

3.子会社の純資産を減らす

4.差額が出たらのれんとして計上する

2.と4.は支配の%が100じゃなかったり、子会社を高く(安く)買っちゃうと出てきちゃう手続きですが、

基本は

1.親会社保有の子会社株式を減らす

3.子会社の純資産を減らす

です。

いきなり連結修正となると少し難しく感じるかもしれませんが、頑張りましょう!

連結part3は連結第1期です。

 

私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください