こんにちは。サラリーマン簿記講師めたきんです。
今日は連結会計シリーズpart1 「そもそも連結会計とは?」です。
今まで1社の会計を学習してきたかたからするとめちゃくちゃ大変な論点です。
やっぱり連結っていうと
「アップストリームがちょっと・・・」
「非支配株主持分の計算が・・・」
とかが気になりますが、
「連結ってそもそもなんだろう?」
のイメージを持っていた方がよりスムーズに会計処理も理解できます。
今日のブログでは、連結会計とは?という点をなるべくわかりやすく解説します。今後連結会計の個別論点になった時に、大元のイメージを理解していないと勉強進みづらくなってきてしまうのでしっかり理解しましょう!
連結会計とは?
連結会計とは、ざっくりいうとグループで財務諸表を作るための会計手法です。
しっかりめな表現だと「支配従属関係にある2つ以上の企業からなる集団を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するもの。その連結財務諸表を作成するプロセスを連結決算もしくは連結会計という」です。気絶しそうですね。
以下の図で見ていきましょう。
この2つの会社は、それぞれで稼いだり物買ったりしていますが、関係性は独立しておらず、A社とB社は親子関係にあります。親子関係にある会社のうち、親会社であるA社は、財務諸表を連結し、グループとして財務諸表を公開することになります。
親子になるとは?
親子になるには、親が子となる会社の発行する株式を買い取って、株主(=出資者)になる必要があります。
子となる会社の発行する株式を市場やその会社の株主から買い取って、発行済株式総数のうち保有比率が過半数以上になったときに親会社になるんですね。(厳密にいうと基準上は半数以下でも条件を満たせばなり得ますがここでは割愛します)
この比率の元になっているものを議決権といいます。議決権は、会社の重要な意思決定の際のパワーだと思ってください。議決権を過半数以上持たれていると子会社に対する発言権がとても強くなるんですね。
子会社は今まで一会社で決めていた重要なことを逐一親会社にお伺いをたて、連結財務諸表を作るために個別の業績を報告しなくてはなりません。親会社と子会社の関係になるというのは、かなりの一大イベントということをまずは覚えておいてください。
連結会計の手続きとは?
連結会計は概ね以下のフローで行われます。
1.個別財務諸表の単純合算
まず、会社同士の個別財務諸表を合算します。
個別財務諸表は、家族の中でそれぞれがお小遣い帳持っているイメージですね。それをお母さん(お父さんもあるか)が合算して、家(=連結グループ)全体の家計簿作っていきます。
2.連結修正仕訳
次に連結修正仕訳を「連結上」(=それぞれのお小遣い帳ではなく、家計簿)で入れていきます。ここが結構イメージしづらいんですけど、次の例で考えてみてください。
①お父さんが子供にお小遣い100円をあげた
②子供はお父さんからお小遣い100円を受け取った
③子供はもらった100円で文房具を買った
これを家族全体の家計簿で見るといくら出金があったでしょうか?
そう、100円ですね。
ところが、お母さんがそれぞれの家計簿を見たときに、お父さんのお小遣い帳には出金▲100円が記帳されていて、子供のお小遣い帳には入金+100円、文房具▲100円が記帳されています。
これだけお母さんが見ると、外部から100円収入があって、外部への支払いが200円あったように勘違いしちゃいますね。
これを修正するために、
お父さんからの子供へのお小遣い▲100円と子供がもらったお小遣い+100円を相殺して、「家」(=連結グループ)として文房具屋に払った100円だけに修正が必要です。
連結修正仕訳上も同じで親子会社間で資本に関する取引(親会社の出資株式と子会社の資本)や損益に関する取引(親子会社間の商品売買など)は外部取引ではないので、内部で相殺しなければいけないんですね。
これが連結修正仕訳のイメージになります。
非支配株主って何?
なんか忘れてますね。そう、皆さん苦手な非支配株主です。
これは冒頭に書いた、議決権の過半数というのがキモです。
議決権を過半数(=51%)以上持つと、親会社になるわけですが、残りの49%は他の株主が持っています。その、「他の株主」のことを非支配株主といいます。
連結会計では、最初に個別財務諸表を合算しますが、合算しただけだとその連結財務諸表は100%保有の計算になっていますよね?なので合算した純資産や当期純利益に「他の株主分」を掛けた金額を分離して計上するわけです。
この辺りは追々個別論点が出てきたらまた解説しますね。
まとめ
簿記2級の中でも最重要かつ最難関の連結ですが、これをしっかりと理解せずに仕訳だけ覚えてしまうと後々何が起きているかわからなくなってしまいます。基礎をしっかりと押さえて、次のステップに進みましょう!
連結Part2は支配獲得日(期末)の連結会計についてです。
私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください |