税効果会計とは?わかりやすく解説!(ざっくり編)

こんにちは。サラリーマン簿記講師めたきんです。
今日は税効果会計についてです。

簿記2級でいきなり出てくる税効果会計。
正直最初は意味不明だと思います。

苦手な方が多いですが、ここでしっかりと理解しておくと、簿記1級、はたまた税理士試験の簿記論などを受ける際にも有効です。以下で税効果会計の基礎概念を解説します。

税効果会計とは?

税効果会計とは、企業会計上の法人税率と税務会計上の法人税率を合わせるための企業会計上の処理です。

これだけ見るとさっぱりわからないですね。

まずは、企業会計と税務会計について理解しましょう。

2つの会計には、目的の時点で大きな違いがあります。

企業会計→経営成績と財政状態をはっきりさせる
税務会計→どんな会社でも公平に課税できるようにする

企業会計はあくまで、財務諸表をルール通りに適正に作成して、
「どれだけ利益稼いだか」
「どのぐらい資産負債純資産があるか」
を表示するのが目的です。

なので、PL上の利益の求め方は

収益(どんだけ稼いだか)ー費用(稼ぐのにどれぐらい使ったか)=利益

ですね。

一方で、税務会計は、税金を適正に計算するのが目的なので

益金(どんだけ稼いだか)ー損金(稼ぐのにどれぐらい使ったか)=課税所得(≒利益)

という風に利益を求めます。この課税所得に対して、法人税率を掛けて、法人税の計算をするんですね。

この収益↔︎益金費用↔︎損金というところの認識が一緒ならめちゃくちゃ楽なんですけど、企業会計と税務会計の間には埋められない溝があります。これを差異と言います。

差異はざっくり説明すると「会計上は計上していいけど、税務上はダメよ!」の金額のことです。この差異があることで税務で計算された税金を会計で計上した時に

「あれ?多い?」
「あれ?少ない?」

となるわけです。

これを解消するために、差異の分について税金を増やしたり減らしたりする作業が必要になります。

実際に計算してみよう!

では事例を使って計算してみましょう。

当期の収益:1000
当期の費用:500当期の費用のうち減価償却費200が税務上損金として認められない。
税率は40%とする。

 

この状態だと税務の方が80税金多いですね。
調整を入れましょう。

損金不算入額200×税率40%=80

今回は損金不算入→税金の前払なので資産科目を使います。

繰延税金資産 80/法人税等調整額 80

この仕訳を財務諸表に反映すると、

会計と税務で綺麗になりましたね。やった!

※本当は会計上の資産負債価値と税務上の資産負債価値の差が税効果会計の対象になりますが、ここではPLをベースとしてわかりやすく説明してます。

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感想(1件)

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ただ、どうしてもわからん!という方は↓↓↓↓のような専門校の受講をしてもいいと思います。今後簿記1級を受ける際や実務を行う際に有効だと思いますので。

まとめ

税効果会計はわかりづらいですが、一回理解してしまえば、後々得点源になります!(皆んな苦手だしね)。しっかり本質理解して、仕訳に落とし込みましょう!

 

私は副業で簿記2〜3級の個人講師をしております。個人レッスンでより簿記の理解を促進したい方はお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください